眼精疲労のセルフケア|安全なマッサージ方法とツボ3選

もみほぐし

パソコンやスマートフォンを長時間使ったあとに、目の重さやかすみ、乾燥感を覚えることがあります。目の周囲をやさしくほぐしたり、画面から目を離して休んだりすることは、リラックスするためのセルフケアとして取り入れられます。

ただし、医学的な意味での「眼精疲労」は、休息や睡眠を取っても目や全身の症状が十分に回復しない状態を指します。眼鏡やコンタクトレンズの度が合っていない、ドライアイがある、目の病気が隠れているなど、さまざまな原因が考えられます。

この記事では、眼球を直接押さずに行えるマッサージ方法と、セルフケアで意識しやすいツボを紹介します。マッサージは診断や治療の代わりになるものではありません。症状が続く場合や見え方に変化がある場合は、眼科に相談してください。

眼精疲労と一時的な疲れ目の違い

パソコン作業などのあとに目が重く感じても、休憩や睡眠で回復する場合は、一時的な疲れ目の可能性があります。

一方、眼精疲労では、次のような症状が休息を取っても続くことがあります。

  • 目の痛みや重だるさ
  • かすみや見えにくさ
  • まぶしさや充血
  • 目の乾燥感や異物感
  • 頭痛や肩の重さ
  • 吐き気や全身の疲労感

症状の原因は、目の使いすぎだけとは限りません。度の合わない眼鏡やコンタクトレンズ、ドライアイ、老視、斜視・斜位、白内障、緑内障などが関係する場合もあります。

パソコンやスマートフォンで目が疲れやすくなる理由

近い距離を見続ける

近い距離の画面を見続けると、目はピントを近くに合わせた状態を長時間保つことになります。作業が長くなるほど負担を感じやすくなるため、意識的に画面から目を離すことが大切です。

まばたきが少なくなる

画面に集中していると、まばたきの回数が減りやすくなります。涙が目の表面に行き渡りにくくなると、乾燥感、かすみ、ゴロゴロ感などにつながることがあります。

同じ姿勢が続く

頭を前に出した姿勢や、画面をのぞき込む姿勢が続くと、首や肩にも負担がかかります。目の疲れと首・肩の重さが同時に現れる場合は、画面の位置や座り方も見直してみましょう。

眼精疲労マッサージを始める前の注意点

目の周囲は刺激に敏感な部分です。セルフマッサージを行うときは、次の点を守ってください。

  • 眼球やまぶたを直接押さない
  • 手を洗ってから行う
  • コンタクトレンズを外してから行う
  • 強くこすったり、痛みを我慢して押したりしない
  • 目の手術や治療を受けている場合は、事前に主治医へ確認する

目の強い痛み、急な見え方の変化、強い充血、目やに、けが、腫れなどがあるときは、マッサージを行わず眼科に相談してください。

セルフケアで意識しやすいツボ3選

ツボは、東洋医学で身体のケアに用いられてきた場所です。ただし、ツボを押すことで眼精疲労が治る、視力が回復するといった医学的効果が確立されているわけではありません。

リラックスするための補助的なセルフケアとして、痛みのない範囲でやさしく触れましょう。

眉頭付近の攅竹

攅竹(さんちく)は、眉毛の内側にある骨のくぼみ付近です。眼球側へ指を入れ込まず、眉頭の骨の縁に指の腹を軽く当てます。

息を吐きながら3秒ほどやさしく押し、ゆっくり離します。左右それぞれ2〜3回を目安に行いましょう。

こめかみ付近の太陽

太陽(たいよう)は、眉尻と目尻の間から少し外側にある、こめかみ付近のくぼみです。

人差し指や中指の腹を当て、小さな円を描くようにゆっくり動かします。強く押し込まず、皮膚を軽く動かす程度にしてください。

手の甲にある合谷

合谷(ごうこく)は、手の甲側にある、親指と人差し指の骨が合流する手前付近です。目から離れた場所にあるため、目の周囲を刺激することに抵抗がある方でも取り入れやすいツボです。

反対側の親指と人差し指で軽く挟み、3秒ほど押して離します。強い痛みが出ない程度に左右2〜3回ずつ行いましょう。

目の周囲をやさしくほぐすマッサージ方法

眉周りを骨に沿ってほぐす

  1. 人差し指の腹を眉頭の骨の縁に当てます。
  2. 眉頭から眉尻へ向かい、少しずつ位置をずらします。
  3. それぞれの場所を2〜3秒ずつ、やさしく押します。
  4. 左右とも1〜2往復を目安に行います。

まぶたや眼球には触れず、眉毛の上や眉骨の縁を押すことがポイントです。

こめかみを小さく動かす

  1. 人差し指と中指の腹をこめかみに当てます。
  2. 皮膚の表面で小さな円を描くように動かします。
  3. ゆっくり5〜10回ほど回します。
  4. 反対方向にも同じ回数だけ動かします。

痛みが出るほど強く押す必要はありません。歯を食いしばらず、あごの力を抜いて行いましょう。

後頭部と首周りを軽くほぐす

  1. 両手の指を後頭部に添えます。
  2. 頭の付け根付近を指の腹で軽く押します。
  3. 肩をすくめてから力を抜く動きを数回繰り返します。
  4. 最後に首を左右へゆっくり傾けます。

首の前側を強く押したり、首を勢いよく回したりしないでください。痛み、しびれ、めまい、吐き気などが出た場合は、すぐに中止しましょう。

アイマスクや温かいタオルを使うときのポイント

温かいアイマスクやタオルは、目元を休めるリラックスタイムに取り入れられます。また、目の乾燥に関係するまぶたの油分が出やすくなる場合もあります。

ただし、温めることで眼精疲労そのものが治るわけではありません。原因によっては温めるケアが適さない場合もあります。

  • コンタクトレンズを外してから使用する
  • 目を閉じ、眼球を押さえつけないように軽く当てる
  • 熱いと感じる温度では使用しない
  • 市販品は使用時間や注意事項を守る
  • 強い充血、腫れ、けが、感染が疑われるときは使用しない

マッサージの前後のどちらに使うかについて、決まった順番はありません。心地よく感じる方法を選び、短時間から試してください。

眼精疲労を繰り返しにくくする日常習慣

画面を目から離す

パソコンのディスプレイは、目から40cm以上離すことを目安にします。画面の上端が目の高さを超えない位置に調整すると、画面を見上げる姿勢を避けやすくなります。

スマートフォンも顔へ近づけすぎず、文字が小さい場合は表示サイズを大きくしましょう。

明るさと映り込みを調整する

画面だけが明るすぎたり、暗い部屋で画面を見続けたりすると、見えにくさを感じる場合があります。周囲の明るさに合わせて画面の輝度を調整し、照明や窓の光が画面に映り込まないようにしましょう。

ブルーライトカット機能や専用眼鏡だけで、眼精疲労を防げるとは限りません。まずは画面との距離、休憩、明るさ、文字サイズを見直すことが大切です。

こまめに遠くを見る

近い距離を見続けないための方法として、「20分ごとに20秒間、約6m先を見る」という20-20-20ルールがあります。厳密に行うことが難しい場合でも、定期的に画面から視線を外すことを意識しましょう。

長時間の情報機器作業では、1時間を超えて連続作業を続けず、途中にも短い休止を入れることが目安になります。遠くを見る、目を閉じる、立ち上がる、肩を動かすなど、目と身体の両方を休ませましょう。

まばたきを意識する

画面に集中しているときは、ときどきゆっくりまばたきを行います。乾燥感が強い場合や、市販の目薬を使っても症状が続く場合は、自己判断で使い続けず眼科に相談してください。

眼鏡やコンタクトレンズを確認する

度の合わない眼鏡やコンタクトレンズは、目の負担につながる場合があります。以前より見えにくい、近くを見ると疲れる、ピントが合いにくいと感じる場合は、眼科で視力や目の状態を確認してもらいましょう。

食事は栄養バランスを基本にする

目の健康を保つためにも、特定の食品だけに偏らず、主食、主菜、副菜を組み合わせた食事を心がけることが大切です。

特定の栄養素やサプリメントを摂取すれば、眼精疲労が改善するとは限りません。サプリメントを使用する場合は、持病や服用中の薬との組み合わせもあるため、必要に応じて医師や薬剤師へ相談してください。

すぐに眼科を受診した方がよい症状

次のような症状がある場合は、マッサージやアイマスクを試さず、早急に眼科などの医療機関へ相談してください。

  • 急に視力が低下した
  • 視野の一部が欠けた、カーテンがかかったように見える
  • 突然、物が二重に見えるようになった
  • 強い目の痛みや激しい頭痛がある
  • 強い充血に、かすみや吐き気を伴う
  • 光が走るように見える、黒い点が急に増えた
  • 目に物が当たったなどのけががある

薬品が目に入った場合は、眼科を受診する前に、その場ですぐに目を開けたまま流水で10分以上洗い、その後ただちに眼科を受診してください。

症状が軽くても、休息を取っても目の疲れが回復しない、同じ症状を何度も繰り返す、見え方が以前と変わったという場合は、眼科受診を検討しましょう。

眼精疲労マッサージに関するよくある質問

マッサージで眼精疲労は治りますか?

マッサージだけで眼精疲労が治るとは限りません。目の周囲をやさしくほぐすことは、リラックスや一時的な心地よさにつながる場合がありますが、原因に応じた対応が必要です。

毎日マッサージしても大丈夫ですか?

眼球やまぶたを押さず、短時間かつ弱い力であれば、日常のリラックス習慣として取り入れられます。ただし、痛みや見え方の変化がある場合は中止してください。

強く押した方がスッキリしますか?

強い刺激は必要ありません。目の周囲はデリケートなため、痛みを感じるほど押したり、こすったりしないことが大切です。

まとめ

眼精疲労のセルフケアでは、眼球やまぶたを直接押さず、眉周りやこめかみをやさしくほぐすことが基本です。攅竹、太陽、合谷などのツボも、治療ではなくリラックスを目的として、無理のない力で取り入れましょう。

同時に、画面との距離、明るさ、休憩、まばたき、眼鏡やコンタクトレンズの状態を見直すことも大切です。

休んでも症状が続く場合や、急な視力低下、強い眼痛、視野の異常などがある場合は、セルフケアを続けず眼科へ相談してください。

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