首こりを自分でマッサージする方法|道具なしのセルフケアと注意点

身体の疲れ・こり

首や肩のこりが気になっても、忙しくて施術を受けに行く時間が取れないことがあります。そのようなときは、仕事の合間などに無理のない範囲で首や肩を動かすことで、一時的に楽に感じられる場合があります。

この記事では、椅子に座ったままできるセルフマッサージやストレッチ、安全に行うための注意点を紹介します。

ただし、強い痛み、しびれ、脱力感、めまいなどがある場合は、セルフケアを行わず医療機関へ相談してください。セルフケアによる変化には個人差があり、症状の改善を保証するものではありません。

デスクワークやスマホで首がこりやすくなる理由

首こりには、長時間同じ姿勢を続けることや、頭を前に出した姿勢などが関係している場合があります。まずは、首に負担がかかりやすい状況を確認しておきましょう。

頭が前に出る姿勢では首の筋肉が働き続ける

パソコンやスマートフォンを見ていると、画面をのぞき込むように頭が前へ出やすくなります。頭が前へ移動すると、首や肩の筋肉は頭を支えるために働き続けることになります。

2014年に発表された研究では、成人の頭部を約5kgとした計算モデルにより、頭を前へ傾ける角度が大きくなるほど、頸椎にかかる力も大きくなると推定されました。ただし、これは人体で実際の負荷を直接測定した数値ではなく、計算上の推定値です。

数値だけを過度に気にする必要はありませんが、長時間同じ姿勢を続けず、ときどき姿勢を変えることが大切です。

「ストレートネック」だけで症状は判断できない

一般に「ストレートネック」と呼ばれる状態は、首の骨である頸椎のカーブが少なく見える状態を指すことがあります。ただし、ストレートネックは正式な病名として一律に使われる言葉ではありません。

また、画像上の頸椎の形だけで、首こりや頭痛などの原因を判断することはできません。姿勢、筋肉の緊張、睡眠、ストレス、目の使い方、頸椎の病気など、さまざまな要因が関係する可能性があります。

首の痛みやしびれが続いている場合は、自己判断でストレートネックと決めつけず、整形外科などの医療機関へ相談しましょう。

自分でマッサージする前に知っておきたい注意点

首には神経や血管が通っているため、強い力で押したり、勢いよく動かしたりすることは避けてください。セルフケアは、痛みのない範囲でやさしく行うことが基本です。

首こりに関わる主な筋肉

首や肩のこりには、次のような筋肉が関係することがあります。

  • 僧帽筋:首の後ろから肩、背中にかけて広がる筋肉です。頭を支えたり、肩甲骨を動かしたりします。
  • 肩甲挙筋:首の横から肩甲骨につながる筋肉です。肩甲骨を持ち上げたり、首を傾けたりするときに働きます。
  • 胸鎖乳突筋:耳の後ろから鎖骨付近につながる筋肉です。首を回したり傾けたりするときに働きます。

筋肉名を正確に探して強く押す必要はありません。首そのものを強くもむよりも、肩まわりをやさしく動かし、長時間同じ姿勢を続けないことを意識しましょう。

強く押してはいけない場所

  • 首の前側やのどの両脇:大きな血管や神経があるため、指で強く押し込んだり、つまんだりしないでください。
  • 首の骨の中央:骨を直接押したり、強い力でこすったりすることは避けてください。
  • 腫れや熱感がある場所:炎症やけがが疑われるため、マッサージを行わないでください。
  • 強い痛みがある場所:我慢して続けず、セルフケアを中止してください。

セルフケア中に痛み、しびれ、吐き気、めまい、気分の悪さなどを感じた場合は、すぐに中止しましょう。

首こりが気になるときのセルフマッサージ

ここからは、道具を使わずにできるセルフマッサージを紹介します。力を入れて深く押すのではなく、皮膚や筋肉を軽く動かす程度にとどめてください。

肩の上をやさしくほぐす方法

  1. 椅子に深く座り、足の裏を床につけます。
  2. 右手を左肩の上に置きます。
  3. 首の付け根ではなく、肩の上のやわらかい部分に指を当てます。
  4. 痛みのない程度の力で、指の腹を使って小さな円を描きます。
  5. 10秒ほど行ったら手を離し、反対側も同様に行います。

強く握ったり、爪を立てたりする必要はありません。軽く触れて動かすだけでも、肩の力に気づくきっかけになります。

後頭部の下を軽く触れる方法

  1. 背もたれのある椅子に座り、肩の力を抜きます。
  2. 両手の人さし指から薬指の腹を、後頭部の骨のすぐ下に軽く当てます。
  3. 首の骨の中央は避け、左右のやわらかい部分に触れます。
  4. 押し込まず、皮膚を小さく動かすように5回ほど円を描きます。
  5. ゆっくり手を離します。

親指で強く押し上げたり、長時間圧迫したりしないでください。頭痛やめまいがあるときは行わないようにしましょう。

肩を上げ下げして力を抜く方法

  1. 両腕を自然に下ろします。
  2. 息を吸いながら、両肩をゆっくり耳へ近づけます。
  3. 2〜3秒保った後、息を吐きながら肩の力を抜きます。
  4. 5回程度繰り返します。

肩を勢いよく落とす必要はありません。呼吸に合わせて、ゆっくり動かしてください。

首や肩を無理なく動かすストレッチ

ストレッチは、強く引っ張るほどよいわけではありません。痛気持ちいいところまで伸ばすのではなく、軽く伸びていると感じる範囲で行いましょう。

首の横側を伸ばすストレッチ

  1. 椅子に座り、正面を向きます。
  2. 肩が上がらないように力を抜きます。
  3. 頭をゆっくり右側へ傾けます。
  4. 左側の首から肩が軽く伸びる位置で10〜15秒保ちます。
  5. ゆっくり正面へ戻し、反対側も同様に行います。

手で頭を強く引っ張る必要はありません。痛みやしびれが出た場合は、すぐに元の位置へ戻してください。

あごを軽く引く運動

  1. 背もたれに寄りかかり、正面を向きます。
  2. 目線を水平にしたまま、あごを軽く後ろへ引きます。
  3. 首の後ろが長くなるような姿勢を2〜3秒保ちます。
  4. 力を抜いて元の位置へ戻します。
  5. 3〜5回繰り返します。

顔を下へ向けたり、首を後ろへ強く反らしたりしないでください。二重あごをつくるように、わずかに動かす程度で十分です。

肩甲骨を動かす肩回し

  1. 両手を肩の上に軽く置きます。
  2. 肘で円を描くように、肩を前から上、後ろ、下へゆっくり回します。
  3. 3〜5回行ったら、反対方向にも回します。

肩甲骨まわりを動かすことで、長時間続いていた姿勢を変えられます。首に痛みが出ない範囲で行ってください。

仕事中に取り入れやすい短時間セルフケア

デスクワークでは、セルフマッサージだけでなく、同じ姿勢を長時間続けないことが重要です。

厚生労働省の情報機器作業に関するガイドラインでは、1時間以内を一つの作業サイクルとし、サイクルの途中にも小休止を入れる考え方が示されています。仕事の内容によって休憩の取り方は異なりますが、できる範囲でこまめに画面から目を離しましょう。

短時間で行う場合は、次の流れが目安です。

  1. 肩をゆっくり上げ下げする:5回
  2. 肩を前後に回す:各3〜5回
  3. 首を左右へ軽く傾ける:各10秒程度
  4. 立ち上がるか、数歩歩いて姿勢を変える

タイマーなどを利用し、作業に集中しているときも姿勢を変えるきっかけをつくるとよいでしょう。

就寝前に行う場合の注意点

就寝前にセルフケアを行う場合も、長時間のマッサージや強いストレッチは必要ありません。落ち着いて呼吸できる範囲で、肩回しや軽いストレッチを行いましょう。

入浴や蒸しタオルで肩まわりを温めると、筋肉の緊張がやわらいだように感じる場合があります。ただし、腫れや熱感があるとき、けがをした直後などは温めず、医療機関へ相談してください。

セルフケアによって睡眠の質が必ず高まるわけではありません。寝る前に行って痛みが増す場合は中止しましょう。

首への負担を減らす作業環境の整え方

首こりを繰り返しやすい場合は、マッサージだけでなく、パソコンや椅子の位置も確認しましょう。

  • 画面との距離:目からおおむね40cm以上離します。
  • 画面の高さ:画面の上端が目の高さか、それより少し下になるよう調整します。
  • 椅子の座り方:椅子に深く座り、背もたれを利用します。
  • 足の位置:足裏全体が床につく高さに調整します。届かない場合は足台を利用します。
  • モニターの位置:身体の正面に置き、首を横へ向け続けないようにします。
  • 姿勢の変化:ときどき立ち上がり、長時間同じ姿勢を続けないようにします。

ノートパソコンは画面が低くなりやすいため、長時間使用する場合は、パソコンスタンドや外付けのキーボードなどを利用する方法もあります。

枕や寝姿勢を見直すときのポイント

枕の高さや寝姿勢が合っていないと、起床時に首の痛みや違和感を感じることがあります。ただし、適切な高さは体格、肩幅、寝具の硬さ、寝姿勢などによって異なります。

  • 仰向け:あごが上がりすぎたり、胸元へ押しつけられたりしない高さを選びます。
  • 横向き:頭が大きく傾かず、首から背中ができるだけ自然につながる高さを選びます。
  • うつ伏せ:首を横へ向けた姿勢が続きやすいため、首がつらくなる場合は避けましょう。

朝の痛みが続く場合は、枕だけが原因とは限りません。自己判断で高さを大きく変え続けず、整形外科などへ相談してください。

セルフケアを避けて医療機関へ相談すべき症状

首こりのように感じる症状の中には、神経や頸椎の病気、けが、脳血管の病気などが関係しているものもあります。次の症状がある場合は、マッサージやストレッチを行わないでください。

直ちに救急要請すべき症状

  • 経験したことのない突然の激しい頭痛が起きた
  • 突然、顔や片側の手足に麻痺やしびれが出た
  • 突然、言葉が出にくい、ろれつが回らない状態になった
  • 突然、物が二重に見える、視野が欠けるなどの異常が出た
  • 急に立てない、歩けない、強くふらつく状態になった
  • 意識がもうろうとする、呼びかけへの反応が悪い

これらは脳卒中などの可能性があります。様子を見たりマッサージをしたりせず、直ちに119番へ通報し、救急車を呼んでください。

早めに医療機関へ相談すべき症状

  • 腕や手のしびれ、筋力の低下がある
  • 箸やボタンなどの細かな動作がしにくくなった
  • 歩きにくさや脚のもつれを感じる
  • 首を動かすと腕まで電気が走るような痛みが出る
  • 転倒や交通事故などの後から首が痛む
  • 痛みが強く、安静にしていても続く
  • セルフケアをすると症状が強くなる

首の痛みやしびれについては、まず整形外科への相談が基本です。頭痛が主な場合は、症状に応じて脳神経内科、脳神経外科、頭痛外来などが選択肢になります。

痛みが長引く場合も受診を検討する

軽い首こりであっても、症状が長引く、繰り返す、仕事や睡眠に支障が出る場合は、医療機関へ相談しましょう。

接骨院やリラクゼーションサロンでは、医師による診断や、X線・CT・MRIなどの医療機関で行う検査は受けられません。原因が分からない痛みやしびれがある場合は、施術を受ける前に医療機関で診察を受けることが大切です。

まとめ|首こりのセルフマッサージはやさしく行おう

首こりが気になるときは、首を強くもむのではなく、肩の上を軽くほぐしたり、肩甲骨をゆっくり動かしたりする方法から始めましょう。

首の前側や側面、首の骨を強く押すことは避け、痛みやしびれ、めまいなどが出た場合はすぐに中止してください。セルフケアとあわせて、画面の高さ、座り方、休憩の取り方などを見直すことも大切です。

突然の激しい頭痛や麻痺、言葉や見え方の異常がある場合は直ちに119番へ通報し、しびれや筋力低下、長引く痛みがある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

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