デスクワークやスマートフォンの使用が続いた日に、頭まわりをやさしく触れると、気分転換やリラックスにつながることがあります。
セルフヘッドマッサージは、指の腹で頭皮をゆっくり動かすセルフケアです。特別な道具は必要なく、短い時間でも取り入れられます。
ただし、頭痛、眼精疲労、不眠、抜け毛などを治療する方法ではありません。痛みや体調の異変があるときは無理に行わず、必要に応じて医療機関へ相談してください。
この記事では、初心者でも実践しやすい基本の手順、力加減、注意点を紹介します。
セルフヘッドマッサージを取り入れる主な目的
セルフヘッドマッサージは、病気や症状の改善を目的とするものではなく、心地よさや気分転換を目的とするセルフケアです。
PC・スマートフォン作業後の気分転換
長時間画面を見た後は、目のまわりやこめかみ、首まわりに疲れやこわばりを感じることがあります。こめかみや側頭部にやさしく触れることで、気分を切り替えやすくなる方もいます。
ただし、ヘッドマッサージが目の病気や眼精疲労そのものを改善するわけではありません。目のかすみ、痛み、見えにくさなどが続く場合は、眼科への相談を検討しましょう。
頭皮にやさしく触れる習慣づくり
指の腹で頭皮に触れることは、自分の頭皮の状態を確認する機会になります。傷、赤み、腫れ、湿疹、強いかゆみなどがないかを確認しながら、無理のない範囲で行いましょう。
なお、頭皮マッサージによる発毛、抜け毛予防、髪質の改善が確実に認められているわけではありません。抜け毛にはさまざまな原因があるため、急に抜け毛が増えた場合や薄毛が気になる場合は、皮膚科などへの相談が必要です。
就寝前のリラックスタイム
就寝前に照明を落とし、ゆっくり呼吸しながら頭皮に触れると、気持ちを落ち着ける時間をつくれます。
感じ方には個人差があり、睡眠の質の向上を保証するものではありません。寝つけない状態や夜中に目が覚める状態が続き、日中の生活に影響している場合は、医療機関へ相談しましょう。
始める前に頭皮と体調を確認しよう
ヘッドマッサージを始める前に、頭皮の状態と当日の体調を確認することが大切です。
頭皮の状態を確認する
両手の指の腹を頭皮に軽く当て、痛みや違和感がないかを確認します。頭皮の動かしやすさには個人差があるため、動きにくいことだけで健康状態を判断することはできません。
傷、湿疹、腫れ、強い赤み、化膿、強いかゆみなどがある場合は、刺激を加えずに様子を見てください。症状が続く場合は皮膚科へ相談しましょう。
取り入れやすいタイミング
セルフヘッドマッサージは、次のようなタイミングに取り入れられます。
- PCやスマートフォン作業の休憩中
- 入浴中や入浴後
- 就寝前
- 気分を切り替えたいとき
入浴中に行う場合は、爪を立てたり、髪を強くこすったりしないように注意してください。シャンプーの泡を利用し、頭皮をやさしく動かす程度にとどめましょう。
ヘッドマッサージを避けるべき状態
次のような状態では、ヘッドマッサージを控えてください。
- 頭皮に傷、炎症、湿疹、腫れがある
- 頭や首をけがした直後である
- 触れると強い痛みがある
- 発熱や強い体調不良がある
- 飲酒直後である
- マッサージによって症状が悪化する
突然の激しい頭痛、手足や顔のしびれ・力の入りにくさ、言葉が出にくい、意識がもうろうとする、急な視力低下、けいれんなどがある場合は、セルフケアを行わないでください。緊急性の高い症状の可能性があるため、119番通報を含め、直ちに救急要請してください。
5分で行うセルフヘッドマッサージの基本手順
基本の流れは、こめかみ、側頭部、頭頂部、後頭部の順です。5分はあくまで時間の目安であり、長く行うほどよいわけではありません。
途中で痛み、気分の悪さ、めまいなどを感じた場合は、すぐに中止してください。
準備|30秒
楽な姿勢で座り、肩の力を抜きます。手を清潔にし、爪が頭皮に当たらないことを確認してください。
鼻からゆっくり息を吸い、無理のない範囲で長めに吐きます。呼吸を止めずに行うことがポイントです。
ステップ1|こめかみにやさしく触れる:45秒
人差し指、中指、薬指の腹を、左右のこめかみ付近に軽く当てます。目や眼球を押さないように注意しながら、小さな円を描くようにゆっくり動かします。
強く押し込まず、皮膚がわずかに動く程度の力にとどめましょう。
ステップ2|側頭部を動かす:1分
両手の指の腹を耳の上に当て、頭皮をゆっくり持ち上げるように動かします。指を滑らせて髪をこするのではなく、指と頭皮を一緒に動かすイメージです。
耳の上から頭頂部に向かって、少しずつ位置を変えながら行います。
ステップ3|頭頂部に触れる:1分
両手の指を頭頂部全体に広げ、指の腹を軽く当てます。頭皮を小さく動かすように、ゆっくり円を描いてください。
特定の一点を強く押す必要はありません。痛みがなく、心地よく感じる範囲で行いましょう。
ステップ4|後頭部をやさしく動かす:1分
両手で後頭部を包み、指の腹を髪の生え際付近に当てます。首の付け根から後頭部に向かって、少しずつ位置を変えながら頭皮を動かします。
首の前側や側面を強く押さないようにしてください。また、頭を大きく反らした状態では行わないようにしましょう。
仕上げ|45秒
両手のひらで頭全体を包むように触れ、力を抜きます。数回ゆっくり呼吸して終了します。
終了後に痛みや違和感が残っていないかを確認してください。
適切な力加減と指の使い方
痛みを感じない圧を目安にする
力加減は、「痛くない」「無理なく続けられる」と感じる程度が基本です。「強いほど効果が高い」というものではありません。
強い圧や摩擦を加えると、頭皮の赤み、痛み、刺激感、髪の絡まりや切れ毛につながる可能性があります。初めは弱い力から始めましょう。
爪ではなく指の腹を使う
頭皮に当てるのは、指先のやわらかい部分です。爪を立てたり、頭皮の表面を強くこすったりしないでください。
指の位置を固定し、頭皮ごと小さく動かすようにすると、余計な摩擦を減らせます。
同じ場所を長時間刺激しない
心地よく感じても、同じ場所を長時間押し続けるのは避けましょう。赤みや痛みが出る前に終了することが大切です。
毎日行う必要はありません。その日の体調や頭皮の状態に合わせて、無理のない頻度で取り入れてください。
シーン別の取り入れ方
PC・スマートフォン作業の休憩中
画面作業の後は、まず画面から目を離し、遠くを見る、まばたきをする、姿勢を変えるなどの休憩を取りましょう。そのうえで、こめかみや側頭部に軽く触れると、気分転換として取り入れやすくなります。
ヘッドマッサージだけで目の疲れを解消しようとせず、画面の明るさ、文字の大きさ、作業姿勢、休憩の取り方も見直してください。
入浴中や入浴後
入浴中は、シャンプーの泡を利用して頭皮をやさしく動かします。髪や頭皮を強くこすらず、短時間で終えることが大切です。
入浴後に行う場合は、髪を強く引っ張らないように注意してください。頭皮に熱感やかゆみがある日は控えましょう。
就寝前
就寝前は、照明を落とし、スマートフォンから離れて行うと、落ち着いた時間をつくりやすくなります。
1分程度の短いケアでも構いません。眠気を妨げないよう、強い刺激や長時間のケアは避けましょう。
セルフヘッドマッサージに使えるアイテム
基本は手だけで十分です。アイテムを使用する場合は、製品の説明書に従い、頭皮の状態に合わせて選んでください。
シャンプーブラシ
シャンプーブラシは、手が疲れやすい方でも頭皮に触れやすいアイテムです。先端が硬すぎず、頭皮に強い刺激を与えない製品を選びましょう。
使用するときは、髪を強くこすったり、大きな円を描いて絡ませたりしないようにします。頭皮に軽く当て、小さく動かす程度にしてください。
使用中に痛みや赤みが出た場合は中止しましょう。
頭皮用ローション・セラム
乾燥が気になる場合は、頭皮への使用を目的として作られたローションやセラムを選びます。顔用・髪用・身体用の製品を、自己判断で頭皮に使用するのは避けましょう。
使用前に表示や注意事項を確認し、最初は少量から試してください。赤み、かゆみ、刺激感などが出た場合は使用を中止します。
すでに強いかゆみ、湿疹、フケ、べたつきなどがある場合は、オイルや化粧品だけで対処せず、皮膚科への相談を検討してください。
セルフケアとサロンのヘッドスパの違い
セルフケアの特徴
セルフヘッドマッサージは、費用をかけず、自分の都合に合わせて行えることが特徴です。力加減を自分で調整できるため、短時間の気分転換として取り入れられます。
一方で、後頭部など自分では触れにくい場所があり、姿勢によっては腕や肩が疲れることもあります。
サロンを利用する場合の確認点
サロンのヘッドスパには、頭皮や髪を洗浄するウェットヘッドスパ、乾いた状態で行うドライヘッドスパなど、さまざまなサービスがあります。施術内容、使用する製品、資格の有無は店舗によって異なります。
日本では、あん摩・マッサージ・指圧を業として行うには、あん摩マッサージ指圧師の国家資格が必要です。リラクゼーションを目的とするサービスとは内容が異なる場合があるため、予約前にサービスの範囲や施術者の資格を確認しましょう。
サロンは病気の診断や治療を行う医療機関ではありません。強い頭痛、しびれ、めまい、頭皮の炎症、急な抜け毛などがある場合は、サロンより先に医療機関へ相談してください。
無理なく習慣にするコツ
1分から始める
最初から毎日5分行う必要はありません。「入浴中に側頭部だけ」「就寝前に頭頂部だけ」など、1分程度から始めると続けやすくなります。
既に行っている入浴や休憩などと組み合わせると、特別な時間を設けずに取り入れられます。
効果ではなく心地よさを目安にする
セルフヘッドマッサージによる感じ方には個人差があります。「何日続ければ変化が出る」と決まっているわけではありません。
発毛、抜け毛予防、睡眠改善などを目的に無理をして続けるのではなく、その日の気分転換やリラックスタイムとして取り入れましょう。
まとめ|やさしい力で短時間から始めよう
セルフヘッドマッサージは、指の腹で頭皮をゆっくり動かす、手軽なセルフケアです。こめかみ、側頭部、頭頂部、後頭部の順に、痛みを感じない力で行いましょう。
強く押す、爪を立てる、頭皮をこする、同じ場所を長時間刺激するといった方法は避けてください。頭皮に傷や炎症がある場合や、体調が悪い場合は行わないことが大切です。
また、ヘッドマッサージは、頭痛、眼精疲労、不眠、抜け毛などを治療する方法ではありません。症状が強い場合や長く続く場合は、セルフケアだけで対処せず、適切な医療機関へ相談しましょう。
まずは1分程度、心地よく感じる範囲から始めてみてください。
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