毎日のデスクワークで肩まわりが重くなり、「時間がないけれど、短時間のもみほぐしでも楽に感じられるのだろうか」と気になっていませんか。
短時間のもみほぐしでも、施術中にリラックスできたり、肩まわりが一時的に軽く感じられたりすることがあります。ただし、感じ方や持続時間には個人差があります。肩こりの原因となる病気を診断したり、治療したりするサービスでもありません。
この記事では、デスクワークで肩こりが起こりやすい要因、もみほぐしの選び方、マッサージや整体との違い、料金を確認するポイント、日常生活で取り入れられる対策を解説します。
デスクワークで肩こりが起こりやすい主な要因
肩こりは、首のつけ根から肩、背中にかけて、張りや重さ、痛みなどを感じる状態です。
日本整形外科学会の「肩こり」に関する解説では、首や背中が緊張する姿勢、猫背や前かがみ、運動不足、精神的なストレス、長時間同じ姿勢を取ることなどが、肩こりに関係する要因として挙げられています。
ただし、原因は一つとは限りません。仕事環境、生活習慣、体調などが複合的に関係している場合があります。
長時間同じ姿勢を続けている
パソコン作業に集中していると、気づかないうちに同じ姿勢を長時間続けてしまいます。
筋肉を動かさない状態が続くと、首や肩、背中の筋肉が緊張し、張りや重さを感じることがあります。画面を見ながら前かがみになっている場合は、首から肩にかけて負担がかかりやすくなります。
作業の区切りで立ち上がる、座り直す、肩をゆっくり動かすなど、定期的に姿勢を変えましょう。
モニターを見る姿勢が崩れている
モニターの位置が低すぎたり、画面との距離が合っていなかったりすると、あごを前へ突き出した姿勢になりやすくなります。
- 背中が丸くなっている
- あごを前へ出している
- 肩をすくめたまま作業している
- 肘や手首が安定していない
このような姿勢が続くと、首や肩まわりに負担を感じることがあります。画面の高さや角度、椅子や机の高さを調整し、無理なく作業できる環境を整えましょう。
体を動かす機会が少ない
デスクワークが中心の生活では、肩甲骨や背中を動かす機会が少なくなりがちです。
運動不足だけで肩こりが起こるとは限りませんが、体を動かさない時間が長いと、筋肉の緊張や体の動かしにくさを感じることがあります。
本格的な運動が難しい場合でも、仕事の合間に立ち上がる、少し歩く、肩を小さく回すなど、無理のない範囲で体を動かしてみましょう。
ストレスや疲れが続いている
仕事のプレッシャーや人間関係などによるストレスが続くと、無意識に肩へ力が入ることがあります。
十分に休めていないときや睡眠不足のときは、肩の張りや重さを普段より強く感じる場合もあります。肩まわりのケアだけでなく、休息や睡眠の時間を確保することも重要です。
マッサージ・もみほぐし・整体の違い
マッサージ、もみほぐし、整体は、日常会話では同じような意味で使われることがあります。ただし、資格制度やサービスの位置づけには違いがあります。
名称だけで判断せず、施術者が保有する資格、サービス内容、料金、安全面への配慮を確認しましょう。
あん摩マッサージ指圧
あん摩、マッサージ、指圧を業として行うには、あん摩マッサージ指圧師の国家資格が必要です。
有資格者による施術を希望する場合は、施術所のホームページや店内表示などで資格を確認してください。免許保有証は希望者に発行されるものであるため、保有証が掲示されていないことだけで無資格とは判断できません。
健康保険から療養費が支給される可能性があるのは、医師が医療上マッサージを必要と認め、同意した場合などです。筋麻痺や筋萎縮、関節が動かしにくい状態などが主な対象となり、単なる疲労回復や慰安を目的とした施術は対象になりません。
もみほぐし・リラクゼーション
「もみほぐし」や「リラクゼーション」は、国家資格の名称ではありません。店舗によって、施術者が国家資格を保有している場合と、民間の研修などを受けてサービスを提供している場合があります。
一般的なリラクゼーションサービスは、心地よい時間を過ごすことや、体をほぐしてリラックスすることなどを目的としています。病気を診断したり、治療したりするものではありません。
施術前の聞き取り、体調確認、力加減の調整、安全面への説明などを確認して選びましょう。
整体
整体は、施設や施術者によって考え方や施術方法が大きく異なります。「整体師」という名称自体には、医師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師のような統一された国家資格制度はありません。
ただし、整体を掲げる施設に、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師などの国家資格保有者が在籍している場合もあります。
「骨格を正しい位置へ戻す」「一度で根本改善する」などの説明だけで判断せず、施術者の資格、施術内容、料金、想定されるリスクについて具体的に説明してくれるかを確認してください。
肩こりが気になるときのもみほぐしの選び方3つ
もみほぐしを利用するときは、施術時間の長さだけでなく、現在の体調や利用目的に合っているかを確認しましょう。
1.利用目的と時間に合ったコースを選ぶ
忙しい日や初めて利用するときは、首や肩など希望する部分を中心に受けられる短時間コースが選択肢になります。
15分、20分、30分などの短時間コースは、仕事帰りや予定の合間でも利用しやすいことが特徴です。ただし、短時間で肩こりが解消することを保証するものではありません。
施術前には、次の内容を伝えましょう。
- 特に張りや重さを感じる場所
- 触れてほしくない場所
- 希望する力加減
- けがや持病、治療中の病気
- 利用できる時間
施術中に痛みや違和感がある場合は、我慢せず、すぐに伝えてください。
2.肩だけを強く押す施術にこだわらない
デスクワークでは、肩だけでなく、首、背中、腕、手などにも疲れを感じることがあります。
肩だけを強く押してもらうのではなく、どの部分に張りや重さを感じているかを伝え、無理のない範囲で施術内容を相談しましょう。
強く押すほど高い効果が得られるわけではありません。刺激が強すぎると、痛みや不快感につながる場合があります。
強い痛み、腕や手のしびれ、筋力の低下などがある場合は、もみほぐしを受ける前に医療機関へ相談してください。
3.資格・説明・安全面を確認する
店舗を選ぶときは、価格や口コミだけでなく、安全面も確認しましょう。
- 施術者の資格や研修内容が確認できる
- 施術前に体調や既往歴を確認している
- 希望に合わせて力加減を調整してもらえる
- 施術内容と料金が明示されている
- 不安な施術を断ることができる
- 強引な回数券販売がない
- 病気が治ると断定していない
質問に対して具体的に説明し、希望しない施術を無理に行わない店舗を選びましょう。
もみほぐしの料金を確認するポイント
もみほぐしや整体の料金は、地域、店舗、施術時間、施術者の資格、メニュー内容などによって異なります。
全国一律の公的な料金相場が定められているわけではないため、表示されている金額だけで判断せず、施術内容や追加料金まで確認してください。
短時間コースで確認したいこと
- 表示時間が施術のみの時間か
- 着替えや聞き取りの時間が含まれるか
- 首や肩など希望する部分を指定できるか
- 初回料金と通常料金が異なるか
- 延長料金が発生するか
- 指名料や着替え代が別途必要か
短時間コースであっても、希望する部位に対応していない場合があります。予約前にメニュー内容を確認しましょう。
長時間コースで確認したいこと
60分以上のコースでは、全身のもみほぐしや複数のメニューを組み合わせる場合があります。
オプションを追加すると料金が変わることがあるため、最終的な支払額を事前に確認してください。
長時間の施術がすべての人に適しているとは限りません。初めて利用する場合や刺激に弱い方は、短めのコースから試す方法もあります。
短時間のもみほぐしで期待できることと限界
肩まわりが一時的に軽く感じられる場合がある
無理のない力でもみほぐしを受けることで、肩まわりの緊張が和らいだように感じたり、動かしやすく感じたりすることがあります。
ただし、感じ方や持続時間には個人差があります。短時間の施術で肩こりの原因がなくなることや、病気が治ることを保証するものではありません。
施術後に強い痛みや腫れ、しびれなどが続く場合は、同じ施術を繰り返さず、医療機関へ相談してください。
仕事から離れて休む時間になる
施術中にスマートフォンや仕事から離れ、落ち着いて過ごすことが、気分転換になる方もいます。
ただし、心理的な感じ方にも個人差があり、ストレスや心身の不調を治療するものではありません。入浴、散歩、軽い運動なども含め、自分に合った休息方法を取り入れましょう。
生活環境の見直しも必要
デスクワークの姿勢や作業時間が変わらなければ、施術後に再び肩の張りを感じることがあります。
もみほぐしだけに頼らず、次のような対策を組み合わせてください。
- 同じ姿勢を長時間続けない
- モニターや椅子の高さを調整する
- 仕事の合間に立ち上がる
- 肩や背中を無理なく動かす
- 睡眠や休息の時間を確保する
デスクワーク中にできる肩こり対策
一定時間ごとに情報機器作業を中断する
厚生労働省の情報機器作業に関するガイドラインでは、作業時間を長くしすぎないようにすることが示されています。
目安として、1時間以内を1つの作業サイクルとし、サイクルとサイクルの間に10~15分の作業休止、サイクル中に1~2回の小休止を設ける考え方があります。
業務内容や職場のルールに合わせて、次のような方法を取り入れましょう。
- 作業の区切りで画面から目を離す
- 立ち上がって少し歩く
- 遠くを見る
- 短時間、目を閉じて休ませる
- 座る姿勢を変える
首を無理なく動かす
首や肩の張りが気になるときは、痛みのない範囲でゆっくり動かします。
- 椅子に深く座り、背中を背もたれに預けます。
- 肩の力を抜きます。
- 頭を右側へゆっくり傾けます。
- 元の位置へ戻し、反対側も同様に行います。
手で頭を強く引っ張る必要はありません。痛み、しびれ、吐き気、めまいなどが出た場合は、すぐに中止してください。
肩や脇腹をゆっくり伸ばす
- 両腕を無理のない範囲で上へ伸ばす
- 上半身を左右へゆっくり傾ける
- 肩を前後に小さく回す
- 立ち上がって背伸びをする
反動をつけず、呼吸を止めないように行いましょう。痛みが強くなる動作は行わないでください。
肩こりで医療機関への相談が必要な場合
肩こりに感じられる症状でも、首や肩の病気、神経の圧迫、内科的な病気などが関係している場合があります。
速やかに医療機関へ相談したい症状
- 転倒や事故の後から痛みがある
- 腕や手のしびれが続いている
- 手に力が入りにくい
- 腕が上がりにくい
- 痛みで眠れない
- 発熱や強いだるさを伴う
- 症状が長引いている
- 症状が徐々に悪化している
これらの症状がある場合は、もみほぐしや整体だけで様子を見ず、整形外科などの医療機関へ相談してください。
119番への連絡を検討する症状
- 胸や背中に突然の激しい痛みが出た
- 急な息切れや呼吸困難がある
- 胸が締め付けられるように痛む
- 突然、片側の腕や足に力が入らなくなった
- 突然のしびれや、ろれつの回りにくさがある
- 意識がもうろうとしている
このような症状は重大な病気と関係している可能性があります。迷う場合は、地域の救急相談窓口である「#7119」などを利用してください。対応地域や利用時間は自治体によって異なります。
まとめ|目的と体調に合わせて無理のないケアを選ぼう
デスクワークによる肩の張りや重さには、長時間同じ姿勢を続けること、前かがみの姿勢、体を動かす機会の少なさ、ストレスなど、複数の要因が関係することがあります。
短時間のもみほぐしは、限られた時間の中でリラックスしたい方や、肩まわりを心地よくほぐしてもらいたい方にとって、選択肢の一つです。ただし、肩こりの解消や病気の治療を保証するものではありません。
施術時間や料金だけでなく、施術者の資格、説明内容、力加減、安全面への配慮を確認して選びましょう。
日常生活では、作業環境の調整、適度な休止、姿勢の変更、無理のない運動を組み合わせることが重要です。強い痛み、しびれ、筋力の低下、長引く症状などがある場合は、施術を受ける前に医療機関へ相談してください。
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