仕事やスマートフォンの使用が続いたあとに、「頭が重く感じる」「なかなか気分を切り替えられない」と感じることはありませんか。
そのようなときは、頭皮をやさしく動かしたり、首や肩を軽く伸ばしたりすることで、気分転換やリラックスにつながる場合があります。
ただし、セルフマッサージは病気や頭痛を治療するものではありません。突然の激しい頭痛や、しびれ、吐き気などを伴う場合は、マッサージをせず医療機関に相談することが大切です。
この記事では、自宅や仕事の合間に取り入れやすい頭皮のセルフマッサージとストレッチ、安全に続けるための注意点を紹介します。
頭がすっきりしないと感じる主な要因
頭が重い、ぼんやりすると感じる背景には、さまざまな要因が考えられます。セルフケアだけですべてに対応できるわけではありませんが、まずは生活の中に負担となっているものがないか振り返ってみましょう。
スマートフォンやパソコンによる目の疲れ
スマートフォンやパソコンの画面を長時間見続けると、目の疲れや乾燥、首・肩の負担などを感じることがあります。
近い距離を見続ける作業では、ピントを調節する状態が続きやすく、まばたきの回数が減ることもあります。そのため、「目がショボショボする」「目の奥が重い」「頭がぼんやりする」と感じる人もいます。
画面を見る時間が長い場合は、作業の区切りごとに目を休め、画面との距離や明るさを見直すことも大切です。目の痛みや見え方の変化が続く場合は、眼科に相談してください。
同じ姿勢による首・肩の緊張
デスクワークやスマートフォンの使用中に同じ姿勢が続くと、首や肩の筋肉が緊張し、不快感や頭痛を伴うことがあります。
特に、頭が前に出た姿勢や背中を丸めた姿勢が続くと、首や肩に負担がかかりやすくなります。
頭皮だけでなく、姿勢を変えたり肩を動かしたりすることも、気分転換につながります。
情報に触れ続けることによる精神的な疲れ
仕事のメール、SNS、ニュースなどに長時間触れていると、頭の中が休まらず、考えがまとまりにくいと感じることがあります。
「脳疲労」という言葉が使われることもありますが、明確な医学的診断名ではありません。情報による刺激が続いて疲れを感じるときは、短時間でも画面を見ない時間を作り、静かに過ごしてみましょう。
睡眠不足や生活リズムの乱れ
睡眠時間が不足したり、生活リズムが不規則になったりすると、日中の眠気、倦怠感、注意力の低下などにつながることがあります。
セルフマッサージは気分転換にはなりますが、睡眠不足を補うものではありません。頭がすっきりしない日が続く場合は、睡眠時間や就寝前の過ごし方も見直してみましょう。
セルフマッサージ前に取り入れたい準備
無理のない範囲でゆっくり呼吸する
セルフマッサージを始める前に、肩の力を抜いてゆっくり呼吸すると、気持ちを落ち着けやすくなります。
- 楽な姿勢で座る
- 鼻から無理なく息を吸う
- 口または鼻から、吸うときより少し長めに息を吐く
- 苦しくない範囲で3〜5回繰り返す
秒数を厳密に守る必要はありません。息苦しさやめまいを感じた場合は中止し、普段どおりの呼吸に戻してください。
目の周りを温めて休ませる
目の疲れを感じるときは、蒸しタオルや市販のホットアイマスクを使い、目を閉じて休む方法があります。
- 清潔なタオルを水で濡らし、固く絞る
- 電子レンジなどで温める
- 手で触れて熱すぎないことを確認する
- 目を閉じ、まぶたを押さえつけずに数分間のせる
電子レンジの加熱時間は機種によって異なるため、やけどに注意してください。目の充血、強い痛み、炎症、けががある場合や、眼科手術後などは自己判断で温めず、医療機関に確認しましょう。
頭をすっきりさせたいときのセルフマッサージ
頭皮のセルフマッサージは、痛みのない心地よい強さで行います。強く押したり、頭皮を激しくこすったりする必要はありません。
こめかみ周辺をやさしく動かす
こめかみ周辺には、噛む動作に関係する側頭筋があります。噛みしめる癖がある人や、長時間画面を見たあとには、この周辺が張っているように感じることがあります。
- 人差し指、中指、薬指の指の腹をこめかみに軽く当てる
- 皮膚を強くこすらず、小さな円を描くように動かす
- 内回しと外回しを、それぞれ5回程度行う
目の周囲や眼球を直接押さないようにしてください。30秒程度から始め、心地よく感じる範囲で行いましょう。
耳の上にある側頭部を動かす
側頭部をやさしく動かすセルフケアは、仕事やスマートフォンの使用後の気分転換として取り入れやすい方法です。
- 両手の指の腹または手のひらを耳の上に軽く当てる
- 頭皮をこすらず、ゆっくり前後に動かす
- 次に上下方向へ小さく動かす
- それぞれ5〜10回程度繰り返す
頭皮が大きく動かなくても問題ありません。力を入れず、頭皮と一緒に手を動かす感覚で行います。
後頭部の生え際周辺を軽く押す
後頭部の髪の生え際付近には、東洋医学で「天柱」や「風池」と呼ばれる場所があります。これらは目や首の疲れに対するセルフケアとして紹介されることがありますが、感じ方には個人差があり、症状の治療を目的とするものではありません。
- 天柱の目安:後頭部の中央付近から左右に少し離れた、首の太い筋肉の外側付近
- 風池の目安:耳の後ろと後頭部の中央の間にある、髪の生え際付近のくぼみ
- 両手の親指を生え際付近に軽く当てる
- 痛みが出ない程度に、3秒ほどやさしく押す
- ゆっくり離し、3回程度繰り返す
首の深い部分に指を押し込んだり、強い力で上方向へ押したりしないでください。痛み、しびれ、めまい、吐き気などを感じた場合は、すぐに中止しましょう。
頭皮全体を指の腹で動かす
頭皮全体をやさしく動かす方法は、入浴中や就寝前にも取り入れやすいセルフケアです。
- 両手の指の腹を頭皮に軽く当てる
- 前頭部、頭頂部、側頭部、後頭部の順に手を移動させる
- それぞれの場所で小さな円を描くように頭皮を動かす
- 全体で1分程度を目安に行う
爪を立てたり、髪や頭皮を強くこすったりしないように注意してください。頭皮に傷、湿疹、炎症があるときは控えましょう。
首・肩の緊張が気になるときのストレッチ
頭皮のセルフマッサージとあわせて姿勢を変えたり、首・肩を無理なく動かしたりすると、同じ姿勢から離れるきっかけになります。
首の側面をゆっくり伸ばす
- 椅子に座り、肩の力を抜く
- 顔を正面に向けたまま、頭をゆっくり右側へ傾ける
- 左側の首筋に軽い伸びを感じる位置で10〜15秒保つ
- 反対側も同じように行う
手で頭を強く引っ張る必要はありません。痛み、しびれ、めまいが出る場合は中止してください。
肩と肩甲骨を動かす
- 両手を肩に軽く添える
- 肘で円を描くように、前回しと後ろ回しをそれぞれ5回行う
- 両肩を耳に近づけるように持ち上げる
- 2〜3秒保ったあと、息を吐きながらゆっくり下ろす
- 3〜5回繰り返す
勢いをつけず、動かしやすい範囲で行うことが大切です。
セルフマッサージを取り入れるタイミング
仕事や家事の区切りに短時間行う
セルフマッサージは、長時間続けるよりも、疲れを感じたときに短時間取り入れる方法が適しています。
パソコン作業の区切り、休憩時間、家事を終えたあとなどに、30秒から2分程度を目安に行ってみましょう。
同時に、画面から目を離す、立ち上がる、姿勢を変えるといった休憩も取り入れると、同じ姿勢や目の使いすぎを避けやすくなります。
就寝前のリラックスタイムに取り入れる
就寝前に明るい画面から離れ、静かな環境でゆっくり過ごすことは、眠る前の気持ちの切り替えに役立つ場合があります。
次のような流れで、無理のない範囲で行ってみましょう。
- ゆっくり呼吸する
- 目を閉じて数分間休む
- 頭皮を1分程度やさしく動かす
- 首や肩を軽く伸ばす
セルフマッサージによって不眠が改善するとは限りません。眠れない状態や日中の強い眠気が続く場合は、医療機関や睡眠に関する専門家へ相談してください。
頭のセルフマッサージを行う際の注意点
痛みが出るほど強く押さない
頭皮や首周辺は、痛みのない心地よい強さで触れることが基本です。
強く押しすぎると、皮膚や筋肉に痛みが残ったり、頭痛や不快感が強くなったりする場合があります。「痛いほど効く」と考えず、違和感があればすぐに中止しましょう。
体調が悪いときは行わない
次のような場合は、頭や首へのセルフマッサージを控えてください。
- 発熱や強い倦怠感がある
- 頭部や首をけがしている
- 頭皮に傷、腫れ、湿疹、炎症がある
- 普段とは異なる強い頭痛がある
- 刺激によって片頭痛や吐き気が悪化する
- 医師から頭や首への刺激を止められている
すぐに医療機関へ相談したい症状
次のような症状がある場合は、セルフケアで様子を見ず、速やかに医療機関へ相談してください。
- 突然起こった、これまでに経験したことのない強い頭痛
- 頭をけがしたあとに続く頭痛
- 手足や顔のしびれ、力の入りにくさを伴う頭痛
- ろれつが回らない、言葉が出にくい
- 見え方の異常、強いめまい、意識の変化がある
- 発熱や首の強いこわばりを伴う
- 吐き気や嘔吐を繰り返す
- 頭痛が徐々に強くなる、または何度も繰り返す
頭の重さや頭痛には、目の病気、片頭痛、緊張型頭痛、睡眠障害など、さまざまな原因が考えられます。症状が続く場合は、自己判断で強くもみ続けないことが大切です。
ヘッドスパを利用するときの考え方
ヘッドスパはリラクゼーションを目的としたサービス
ヘッドスパやドライヘッドスパは、頭皮への刺激や落ち着いた環境を楽しむリラクゼーションサービスとして利用されています。
心地よさやリフレッシュ感を得られる人もいますが、病気の診断や治療、頭痛や不眠の改善を保証するものではありません。
サービス内容、使用する機器、施術者の資格、対応できる範囲は店舗によって異なります。利用前に、施術内容や力加減、体調面の注意事項を確認しましょう。
症状の治療を目的にしない
強い頭痛、しびれ、めまい、目の異常、長引く首の痛みなどがある場合は、先に医療機関へ相談してください。
また、日本では、業としてあん摩、マッサージ、指圧を行うには、原則として国家資格が必要です。リラクゼーションサービスと、国家資格を持つあん摩マッサージ指圧師の施術は、同じものではありません。
ヘッドスパを利用する場合も、治療の代わりではなく、無理のない範囲でリラックスするための選択肢として考えましょう。
参考情報
まとめ|頭をすっきりさせたいときはやさしいセルフケアから
頭皮をやさしく動かしたり、首や肩を軽く伸ばしたりするセルフケアは、仕事やスマートフォンの使用後の気分転換として取り入れやすい方法です。
こめかみ、側頭部、後頭部、頭皮全体を、痛みのない心地よい強さで短時間ケアしましょう。画面から目を離すこと、同じ姿勢を続けないこと、十分な睡眠を確保することも大切です。
セルフマッサージの感じ方には個人差があり、頭痛や眼精疲労、睡眠の問題などの改善を保証するものではありません。症状が強い場合や長引く場合、普段とは異なる頭痛がある場合は、セルフケアを続けず医療機関へ相談してください。
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